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自分と向き合うヒント

行動分析学を知っていつものパターンから抜け出そう

行動分析学とは

生活の中で行われるさまざまな行動が、どのように形成され、維持され、ときに変容し、現れなくなるのか、といった行動変化のメカニズムを探り、それを通して心について考えることです。

(例えば)
食事中に片手をこたつに入れて食事をする子供がいて、親は何度も注意をしていました。それでも片手で食事を続けると片手で食事をする原因を「行儀が悪い」「だらしがない」と考える人も多くいます。

他にも習い事を始めても続かなかったり、夫に自分の意見を伝えると決めても言えないのはなぜなのか?
そんな時に多くの人は「意志が弱い」「本気じゃない」「内気」などのように意志とかやる気とか性格というものを、行動の原因として考える人は多い。

しかし、行動分析では「行儀が悪い」「だらしがない」「意志が弱い」「本気じゃない」「内気」などのように意志とかやる気とか性格というものは行動に対して貼られたラベルであると考えます。(ラベリング)

そして、このラベリングの危険性は行動にラベルを貼るときに「こころ」を想定し、その「こころ」が問題行動を引き起こしていると考えてしまうことです。

オペラント行動の法則とは

行動分析学が考える行動の原因とは、メガネをかけている人に「なぜ人はメガネをかけるのか?」と質問すると「目が悪いから」答える。そして、もうひとつ質問する「メガネを忘れた時に誰かに借りますか?」そうすると「借りません」と答える。

【行動】      ▶︎【原因】
自分のメガネをかける▶︎よく見える
他人のメガネをかける▶︎よく見えない

メガネをかけるという行動のもたらす効果の違いが行動の原因になっている。時間的に見て、行動の原因は行動の「後」にある。このように行動の後に発生したことが行動の原因となることを、「オペラント行動」という。

(例えば)
食事中に片手をこたつに入れて食事をする子供。何度も注意する親。それでも片手で食事を続けるので「行儀が悪い」「だらしがない」というラベルを貼ったり「いつも言うことを聞かない」「反抗的」というラベルを貼ったりして非難をはじめる。

なぜ、その行動をするのかという原因を考える時には、行動の直前から直後にかけて起きる状況の変化に注目する。

・ストーブがないとき
【直前】   ▶︎【行動】     ▶︎【直後】
手が温かくない▶︎手をこたつに入れる▶︎手が温かい

・ストーブがあるとき
【直前】 ▶︎【行動】     ▶︎【直後】
手が温かい▶︎手をこたつに入れる▶︎手が温かい

手をコタツに入れることでなんらかの状況変化があれば繰り返される
逆に
手をコタツに入れても何の変化も起こらなければその行動はしない

行動随伴性:行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさす

どうして行動分析学の紹介をしたのかというと

人間というのは、何度言っても自分が望むような行動をしてくれなかったり、逆に自分にとって迷惑な行動をやめてくれなかったりすると相手にラベルを貼って非難してしまうことがあります。

何度頼んでも協力してくれないと「自己中心的」
習い事が続かないのは「意志が弱い」
夫に自分の意見をはっきり言えないのは「内気」だからというように。

行動のもたらす効果に着目し、行動とその直後の状況の変化で行動を捉え直すことにより、個人の性質や性格の攻撃につながらないようにできるのではないかと考えます。

<引用・参考文献> 行動分析学入門 (著)杉山尚子

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※「いろんなやり方があるんだよ」ということを知ってほしいというのが私の考えです。どれを選択するのかは自由だし、ひとつひとつ自分に合うものを試していくのもありだと思います。